建築士として、これまで多くの家づくりに携わってきたS様が望んだのは、自分の思い描いた子育て、そして世代を越えて住み継がれていくことのできる頑丈な住まいでした。RC構造は将来メンテナンスやリフォームを合理的に行えるスケルトン・インフィル（建物を「構造体」と「内装・設備」に分けて計画）が可能。今回も少ない間仕切りで、採光、通風も効率のよい住宅に仕上がりました。内装は表しの鉄筋コンクリートを中心に、ホワイトの照明・壁・造りつけの棚を配し、インダストリアルな雰囲気に。そこへ無垢材・メルバウを床材として用いることで、温かみをプラスしました。太平洋鉄木と呼ばれる堅く耐久性の高いこの床材は、1枚1枚色の濃淡が異なり、木目も様々で、自然のままの質感に味わいがあります。

「内装壁には卵の殻を原料とした塗料を使用するなどなるべく自然素材にもこだわりました。コンクリートも元々は砂や石など自然の賜物です。ずっと眺めていても飽きない表情があり、面白さ・美しさを感じます」と施主様。間取りに関しては「家事の動線を短くしたいという思いから、2階に洗面・脱衣室を配置し、そのまま日当たりの良い畳スペースで洗濯物を干して畳めるようにしました。1階は回廊となっているので移動がスムーズですし、何より子どもたちが走り回っていつも楽しそうです」と話します。 　暖房は床下エアコンを採用。基礎断熱がしっかりしているので、少ない電力で足元 からあたたまります。