
2027年度から省エネ設備の性能基準が大きく変わることをご存知ですか?これはカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするというもの)の実現に向けた取り組みの一環で、新築の省エネ性能を大幅に向上させることを目的としています。この改正は住宅だけでなく、住宅建築、家電全体にわたる大きな改定のため、新築の価格上昇が見込まれるものです。
2027年度からさらに省エネ基準が変わる?
2022年6月3日に「改正建築物省エネ法」が可決され、省エネ基準適合義務化が決定しました。2025年4月からは全ての新築住宅、非住宅建築物が対象となり、建築確認申請時に省エネ基準適合が必須となりました。これにより、より環境に優しく快適な住まいづくりが進められています。
現在、省エネ基準では、外皮性能の強化や一次エネルギー消費量の削減、設計段階での省エネ対策の徹底が求められ、断熱等級4以上と一次エネルギー消費量等級4以上が最低条件となっています。また、2024年以降の住宅ローン減税は、省エネ基準に適合した住宅のみが対象となっています。2030年度以降はさらにZEH基準など厳しくなることが見込まれています。
2027年度からは省エネ設備性能基準が大きく見直される予定で、住宅トップランナー制度では、外皮性能や一次エネルギー消費量の基準が引き上げられ、太陽光発電システムの設置推進も検討されています。新築全体でこの厳しい基準への適合が進むことで、快適性と環境性能を兼ね備えた住まいづくりの普及が期待されています。
※住宅トップランナー制度とは、一定以上の戸建て住宅を供給する事業者に対し、省エネ基準を上回る高性能な住宅の供給を努力義務として課す制度です。


一次エネルギー消費量の基準が引き上げ
2027年度から住宅トップランナー制度における一次エネルギー消費量の基準が次のように引き上げられます。BEI(建築物の省エネ性能を評価する指標)は設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った値で、数値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。

これらの基準の引き上げにより、住宅のエネルギー効率向上や環境負荷の軽減につながります。
基準引き上げのメリットは?
より経済的で、より健康的な暮らしを手に入れられることになります。
①経済的にお得に
ZEH水準の省エネ住宅なら、エネルギーの使用量を削減でき、日々の光熱費を抑えることができます。さらに、金銭的にお得な優遇制度が用意されています。
②優遇制度でお得
ZEH水準の省エネ住宅の導入には、住宅ローン減税やフラット35借入金利の引下げなどの優遇を受けることができます。
③健康で快適な生活
省エネ住宅なら、夏涼しく冬暖かい、快適な睡眠を得られる、ぜんそくなどになりにくい、入浴事故リスクの低減が可能、掃除がラク…など、日々健康的で快適な暮らしを送ることができます。

家庭用電化製品の省エネ基準も見直しへ
省エネ基準の見直しは、住宅ばかりではありません。エアコンなど家庭用電化製品についても2022年に省エネ基準が改正され、2027年度を目標年度とする新基準が導入されます。
これまでエアコンの省エネ基準では、「寸法規定」と「寸法フリー」によって室内機の寸法区分が設けられていました。しかし、この区分は廃止され、新たに「寒冷地仕様の基準」が導入されます。これに伴い、性能評価は通年エネルギー消費効率に基づく段階評価点で表示されるようになり、消費者が省エネ性能の高い製品をより直感的に選べるようになります。
一方、環境規制の強化により、水銀を含む蛍光灯などの生産は2027年に終了する予定です。これにより、照明のLED化がさらに加速していきます。 政府や自治体も、エネルギー消費の削減やCO2排出量の抑制といった観点から、LEDへの移行を強く推奨しています。 今後は、照明選びにおいても、省エネ性能や環境負荷を十分に考慮した選択が求められる時代となります。

家はいつ買うべき?
2027年度から省エネ設備の性能基準が大きく変更されることにより、新築住宅の価格が上昇する可能性があります。高性能な断熱材や省エネ設備の導入が義務づけられるため、建築コストの増加は避けられません。また、建材費の高騰も続く見通しのため、価格上昇のリスクは今後も懸念されます。加えて、金利の上昇も住宅購入の障壁となっていくことでしょう。
今後の金利動向を踏まえると、住宅購入を予定しているのであれば、先延ばしにせずに現行基準で住宅を購入することも一つの選択肢となり得ます。
一方、中古住宅に関しては、新基準が適用されないため、価格が比較的抑えられる可能性があります。特に、省エネ基準に適合しない物件については、価格の下落も考えられます。
今後、新築住宅は省エネ設備性能基準の大きな変革を控え、建材費の高騰や金利上昇のリスクも加わり、価格上昇が懸念されます。 ご家庭に合った無理のない資金計画で、最適な住まい選びを検討していきましょう。
