
税制改正は、家を建てる方にとって、住宅購入のタイミングや判断に直接的な影響を与えます。2025年8月26日に国土交通省が公表した「令和8年度税制改正要望事項」によると、さまざまな税制措置の拡充や延長が求められています。この要望がどのように具体化されるのか、今後の展開を注視していきたいところです。
■2026(令和8)年度どうなる?
国土交通省が2025年8月に公表した「令和8年度税制改正要望事項」には、2026年の住宅市場を左右する重要なヒントが数多く盛り込まれています。この要望は、住宅価格の高騰、少子高齢化、空き家の増加、大規模災害など、現代社会が抱える課題に対応し、国民の住生活の安定と向上を目指すものとなっています。
中でも注目すべきは、住宅取得者の金銭的負担を軽減する施策が、いずれも延長の方向で検討されている点です。今後も「住宅ローン減税」、「固定資産税の軽減」、「認定長期優良住宅に対する減税措置」などが継続されれば、厳しい経済状況下でも安心して住宅の購入やリフォームに踏み切れる環境づくりが期待できるでしょう。
これからの家づくりは、今後の税制改正の動向をいち早く把握し、的確な情報を知ることが、安心して住宅を取得するための大事な一歩となるはずです。
■住宅ローン減税は延長されるのか?
○住宅ローン減税や認定住宅の減税は今後も延長を検討中
○新築住宅の固定資産税減税措置についても同様に検討中
政府は、国民の皆さんが安心して暮らせる住環境づくりを目指しています。その一環として、洪水や土砂災害の危険性が高い地域での新しい住宅建設を控え、住民がより安全な場所へ移り住めるよう促す取り組みが進められています。
要望によると、「世帯構成」「既存住宅ニーズ」「災害ハザードエリア」の記載があるため、2026年の住宅ローン減税は、これまでと異なる新しい制度になると予想されます。
■家を買いやすくするには固定資産税の軽減がカギ!!
○現行の特例措置を2年間延長する要望が出ています (令和8年4月1日~令和10年3月31日)
住宅価格の高騰により、家を購入する人の負担は年々重くなっています。特に、耐震性などの厳しい基準を満たした高品質な住宅を選ぶ場合、初期費用が大きなハードルになります。
こうした状況の中で、新築住宅にかかる固定資産税の軽減措置を維持・拡充することは、購入者の経済的負担を直接的に和らげる有効な手段です。これは単に「家を買いやすくする」だけでなく、安全性や品質の高い住宅の普及を後押しする政策的な意味合いも持っています。
2026年以降も、こうした減税措置が継続されるかどうかは、多くの人にとって重要な関心事です。安心して家を選び、地域の住環境をより良くしていくためにも、制度の充実が期待されます。
■認定長期優良住宅の減税は延長される
○現行の特例措置を2年間延長に (令和8年4月1日~令和10年3月31日)
「認定長期優良住宅」とは、省エネや耐震性、耐久性などに優れ、長く快適に使い続けられるように工夫された高品質な住宅のことです。行政から「長期にわたって良好な状態で使える」と認定されたこの住宅には、税制面での優遇措置が設けられています。
現在、こうした高品質な住宅の普及を後押しするために、所得税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税などが軽減される特例措置が適用されています。令和6年度の税制改正により、固定資産税の軽減措置の適用期限が「令和8年3月31日(2026年3月31日)」まで延長されています。
これにより、2026年3月31日までに新築された住宅については上記の軽減措置が適用されることとなります。この減税は家づくりを考えている方にとって見逃せない制度ですが、適用を受けるには各自治体への申請や一定の条件を満たす必要があるため、詳しくは各自治体の窓口に確認を。
■居住用財産の買い換え特例は延長されるのか?
○特定のマイホームを買い換えたときの特例は継続の可能性も!?
家族構成やライフスタイルの変化によって、現在住んでいる家の広さが合わなくなることがあります。
特に、子どもが独立した後の夫婦世帯や、高齢のひとり暮らしでは、広すぎる家の管理や維持に負担を感じるケースが増えています。
その一方で、住み換えをしようとしても、家が希望する価格で売れず、数百万円以上の損失が出るケースも多々あります。さらに、売却益が出た場合でも高額な税金がかかるため、新しい住まいへの買い換えが難しくなっているのが現状といえます。
こうした課題に対し、現在、特定のマイホーム(居住用財産)を、令和7年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます(譲渡益が非課税となるわけではありません)。
この制度は当初、令和5年末を期限としていましたが、令和6年の税制改正大綱により令和7年末まで延長されました。今後も延長されるか否かに注目です。


■土地の登録免許税の税率軽減
○現行の特例措置は令和9年3月31日まで
現在、日本の土地取引はリーマンショック以降、低い水準のまま横ばいが続いています。一方で、地価は上昇傾向にあり、それに伴い登録免許税の負担も増加しています。この税負担が、土地の売買をためらわせる要因となり、取引の停滞を招いている傾向にあります。
こうした状況は、土地の有効活用を妨げるだけでなく、経済の好循環にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため政府は、「住宅用家屋の所有権の保存登記等の税率の軽減」、「住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減」の登録免許税の税率軽減措置について令和9年3月31日まで延長しています。なお、土地の売買による所有権の移転登記等の税率の軽減措置の適用期限は、令和8年3月31日までとなっています。

「子育てグリーン住宅支援事業」の後継は?

省エネ住宅の建設を支援する国の補助金制度のひとつとして注目されていた、2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」。
名前だけ見ると「子育て世代だけが対象なのかな?」と思われがちですが、実はすべての世帯が対象です。「子育てグリーン住宅支援事業」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた重要な取り組みでもあり、省エネ住宅取得のための補助金制度で、省エネ性能の高い注文住宅の建築や、建売住宅の購入、一定の省エネリフォームを行う家庭に対し、国が補助金を支給するものでした。
これはもともと国の補正予算として組まれている制度のため、今後も何らかの形で継続される可能性は高いものと思われます。
注)税制改正については、例年2〜3月頃に確定し「令和8年度税制改正大綱」で明らかになります。(本内容は2025.11月現在のものです)
引用元:国土交通省「令和8年度税制改正要望事項」










